子どもが生まれて育休から仕事に戻るとき、
「いきなりフルタイムに戻るのはちょっと大変…」
「時短勤務にしたいけど、給料が減るのが心配」
という方も多いのではないでしょうか。
わが家でも子どもが生まれてから、仕事と育児を両立する大変さを感じる場面が増えました。
特に保育園の送り迎えや夕食、お風呂、寝かしつけまで考えると、仕事が終わってからは本当にあっという間ですよね。
そんな子育て世帯を支える制度として、2025年4月から始まったのが**「育児時短就業給付金」**です。
簡単にいうと、2歳未満の子どもを育てるために時短勤務をして、一定の条件を満たした場合に、時短勤務中の賃金の最大10%相当が支給される制度です。
この記事では、
- 育児時短就業給付金とは?
- 誰が対象になる?
- いくらもらえる?
- パパも対象?
- いつまでもらえる?
- 申請はどうする?
といった内容を、できるだけ分かりやすく紹介します。
※この記事は、厚生労働省の「育児時短就業給付の内容と支給申請手続(2026年8月1日時点版)」をもとに作成しています。
育児時短就業給付金とは?
育児時短就業給付金は、2歳未満の子どもを育てるために、1週間あたりの所定労働時間を短縮して働く人を支援する雇用保険の制度です。
2025年4月1日から新しくスタートしました。
育休から仕事に復帰しても、
「保育園のお迎えに間に合わない」
「まだ子どもが小さいうちは少し早く帰りたい」
という家庭は多いと思います。
ただ、時短勤務をすると勤務時間が短くなるぶん、給料も下がってしまうことがあります。
そこで、その収入減を少しでも補うために設けられたのが育児時短就業給付金です。
育休から復帰するときに、
「フルタイムに戻るか」
「収入が減っても時短勤務にするか」
で悩む家庭にとって、時短勤務という働き方を少し選びやすくしてくれる制度と考えると分かりやすいと思います。
誰が対象になる?
育児時短就業給付金を受け取るには、まず、
2歳未満の子どもを育てるために、1週間あたりの所定労働時間を短縮して働いている雇用保険の被保険者
である必要があります。
そのうえで、次のどちらかを満たす必要があります。
- 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同じ子について育児時短就業を開始した
- 育児時短就業を開始する前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月ある
11日以上の月がない場合は、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある完全月で判断されます。
少し難しく感じますよね。
会社員として一定期間働いていて、育休から時短勤務で復帰する方であれば対象になるケースも多いと思いますが、実際の受給資格は勤務状況によって変わります。
分からない場合は、勤務先の人事・総務やハローワークに確認してみるのが安心です。
また、育児休業が終わった翌日から時短勤務を始めなくても、育児休業終了後の復職日から時短勤務開始日の前日までが14日以内であれば、引き続き時短勤務を開始したものとして扱われます。
時短勤務の方法も、単純に1日の勤務時間を短くするだけではありません。
たとえば、
- 1日8時間勤務から6時間勤務にする
- 1週間の勤務日数を減らす
- 短時間正社員へ転換する
- パートタイム勤務へ転換する
- 転職によって週の所定労働時間が短くなる
といった場合でも、2歳未満の子どもを育てるための時短であれば対象になる可能性があります。
一方で、
「保育園のお迎えがあるので毎日早退している」
「子どもの都合で欠勤が増えた」
というだけでは、基本的に対象になりません。
ポイントは、所定労働時間そのものを短縮して働いていることです。
また、受給資格を満たしていても、毎月必ず支給されるわけではありません。
支給対象となる月には、
- 月の初日から末日まで雇用保険の被保険者である
- その月に所定労働時間を短縮して働いた期間がある
- 月の初日から末日まで育児休業給付や介護休業給付を受けていない
- 高年齢雇用継続給付の対象になっていない
といった条件があります。
いくらもらえる?
一番気になるのはここですよね。
基本的な支給額は、
時短勤務中の各月に支払われた賃金 × 10%
です。
たとえば、時短勤務後の賃金が月20万円だった場合、
20万円 × 10% = 2万円
となります。
つまり、
時短勤務後の賃金20万円+育児時短就業給付金2万円
というイメージです。
時短後の賃金が25万円なら2万5,000円、15万円なら1万5,000円が目安になります。
毎月となると、家計への影響も意外と大きいですよね。
ただし、誰でも必ず10%もらえるわけではありません。
時短勤務後の賃金が、時短勤務を始める前の賃金の90%以下になっている場合は、原則として時短勤務後の賃金の10%が支給されます。
一方で、時短勤務後の賃金が時短勤務開始前の賃金の90%を超えて100%未満の場合は、支給率が調整されます。
これは、時短後の賃金と給付金を合わせた金額が、時短勤務を始める前の賃金を超えないようにするためです。
たとえば、時短勤務を始める前の賃金が30万円で、時短後が20万円だった場合。
20万円は30万円の90%以下なので、
20万円 × 10% = 2万円
が支給されます。
一方で、時短前30万円、時短後28万円の場合は、時短後の賃金が時短前の約93%です。
この場合は10%満額ではなく、支給率が調整されます。
厚生労働省の計算例では、
28万円 × 約6.43% = 18,004円
となっています。
ざっくりいうと、時短による給料の減少が大きい場合は10%、給料の減少が小さい場合は給付金も少なくなるという仕組みです。
また、次のような場合は給付金が支給されないことがあります。
- 時短後の賃金が時短前の賃金以上だった
- その月の賃金が支給限度額以上だった
- 計算された給付額が最低限度額以下だった
2026年8月1日から2027年7月31日までの支給限度額は484,121円、最低限度額は2,562円です。
支給対象月の賃金が484,121円以上の場合は給付金が支給されません。
また、賃金と給付金の合計が484,121円を超える場合は、その範囲内になるよう給付額が調整されます。
これらの金額は毎年8月1日に改定されるため、実際に申請するときは最新情報を確認しておきましょう。
パパも対象?夫婦2人とも使える?
育児時短就業給付金は、パパも対象です。
ママだけが利用できる制度ではありません。
条件を満たしていれば、男性でも利用できます。
たとえば、
育休を取得
↓
仕事に復帰
↓
しばらく時短勤務
という働き方をするパパも対象になる可能性があります。
最近はパパが育休を取る家庭も増えています。
夫婦のどちらか一方に育児の負担が偏らないためにも、パパ側も知っておきたい制度のひとつだと思います。
また、夫婦それぞれが雇用保険の被保険者で、それぞれが条件を満たして時短勤務をしていれば、夫婦それぞれが給付を受けられる可能性があります。
「夫婦のうちどちらか1人だけ」という制度ではありません。
夫婦ともに時短勤務を検討している場合は、それぞれの勤務先に確認してみるといいでしょう。
いつまでもらえる?
育児時短就業給付金は、育児時短就業を開始した日の属する月から、終了した日の属する月までが基本的な支給対象期間です。
ただし、遅くとも対象となる子どもが2歳に達する日の前日までです。
また、子どもが2歳になる前でも、
- 育児時短就業を終了した
- 雇用保険の被保険者でなくなった
- 対象となる子どもを養育しなくなった
- 産前産後休業を開始した
- 育児休業を開始した
- 介護休業を開始した
などの場合には、支給が終了することがあります。
「時短勤務をしている間なら何年でももらえる」という制度ではないので注意しましょう。
申請方法と期限
育児時短就業給付金の手続きは、原則として勤務先が行います。
勤務先が、
- 育児時短就業開始時の賃金の届出
- 受給資格の確認
- 支給申請
を、事業所の所在地を管轄するハローワークへ行います。
本人が希望する場合は、自分で受給資格確認や支給申請をすることもできます。
ただし、育児時短就業開始時の賃金の届出については、事業主が行う必要があります。
申請には、状況に応じて、
- 育児時短就業給付受給資格確認票
- 育児時短就業給付金支給申請書
- 賃金台帳
- 出勤簿
- タイムカード
- 労働条件通知書
- 育児短時間勤務申出書
- 就業規則
- 母子健康手帳
- 住民票
などが必要になる場合があります。
すべてを本人が用意するわけではなく、会社側で準備する書類も多いため、まずは人事や総務に、
「育児時短就業給付金の対象になりますか?」
と確認してみるのがおすすめです。
支給申請は原則として、2つの支給対象月について2か月ごとに行います。
本人が希望する場合は、1か月ごとに申請することもできます。
また、初回申請には期限があります。
最初の支給対象月の初日から起算して4か月以内です。
たとえば、厚生労働省の資料では、7月10日に時短勤務を開始した場合、最初の支給対象月は7月になるため、提出期限は10月31日までとされています。
「時短勤務を始めてから給付金の存在を知った」
ということにならないよう、復職や時短勤務を始める前に会社へ確認しておくと安心ですね。
まとめ
育児時短就業給付金のポイントを簡単にまとめると、
- 2025年4月1日から始まった制度
- 2歳未満の子どもを育てるための時短勤務が対象
- 雇用保険の被保険者が対象
- 原則として時短勤務中の賃金の10%を支給
- 時短前の賃金の90%を超える場合は支給率が調整される
- 時短後の賃金が時短前の100%以上なら支給されない
- パパもママも対象
- 条件を満たせば夫婦それぞれ利用できる
- 支給申請は原則2か月ごと
- 手続きは原則として勤務先が行う
- 初回申請は最初の支給対象月の初日から4か月以内
となります。
子どもが小さいうちは、仕事と育児を両立するだけでも大変です。
朝は保育園へ送り、仕事が終われば迎えに行って、ご飯、お風呂、寝かしつけ。
実際に子育てをしていると、本当に時間が足りないと感じることがあります。
そんな中で、
「少し勤務時間を短くしたい」
と思っても、今度は収入が減ってしまうのが心配ですよね。
育児時短就業給付金は、そんな時短勤務による収入減を少しでも補ってくれる制度です。
最大10%とはいえ、毎月の家計を考えれば決して小さな金額ではありません。
しかもママだけでなく、条件を満たせばパパも利用できます。
これから育休から復帰する方や、時短勤務を検討している方は、一度自分が対象になるか勤務先に確認してみてはいかがでしょうか。
こういった制度は、知っているかどうかで家計に差が出ることもあります。
子育て中に使える制度は、できるだけ上手に活用していきたいですね。
※本記事は2026年8月時点の厚生労働省の情報をもとに作成しています。制度内容や支給限度額などは変更される場合があるため、実際に申請する際は厚生労働省やハローワークの最新情報をご確認ください。
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